開業にあったってお手伝いーどんなことでも
「役所等に何をするの?」
開業時に必要な手続き
個人事業は 法人とは異なり複雑な設立手続きや定款の設定が不要です。個人の権利・義務そして責任において事業の運営を行うのが個人事業です。しかし 個人事業にも 開業時にはいろいろな届出や申請が必要です。
個人事業の開廃業等届出書
新たに事業を開始するとき 必ず提出しなければいけない書類の一つに 「個人事業の開廃業等届出書」があります。この書類は あなたが新たに事業を開始したことを納税地の税務署へ通知するものです。
「個人事業の開廃業等届出書」詳細はこちら
所得税の青色申告承認申請書
個人事業で所得を得ると、確定申告を行い所得税を納める義務が生じます。
確定申告には青色申告と白色申告があり 青色申告を選ぶ場合
「所得税の青色申告承認申請書」を提出し事前に承認を得る必要があります。
ちなみに青色申告のほうが税金面で優遇されています。
「所得税の青色申告承認申請書」詳細はこちら
青色事業専従者給与に関する届出書
個人事業の場合 配偶者や親などに事業を手伝ってもらうケースも多いと思います。
青色申告の承認を受けていて 「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出すれば
家族への給与を全額必要経費として計上することができます。
ただしいくつかの条件があります。
「青色事業専従者給与に関する届出...」詳細はこちら
給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
個人事業でも人を雇い給与の支払いを行うのであれば、
「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を提出する必要があります。青色事業専従者やアルバイトを一人雇うだけでも必要です。開業時は自分だけでも従業員を置くようになったらその時点でこの届けを提出します。
「給与支払事務所等の開設・移転・...」詳細はこちら
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書
次に説明する届出書は 書式名は非常に長くてややこしいのですが・・・ 簡単に言うと 源泉所得税の納期を年2回にするための書類です。 「 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請」と「納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出」が
一枚の書式で同時に手続できます。
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会社設立にはどんなメリット、デメリットがあるの?
Q.会社設立は、どこまで有利なのでしょうか。
A.【税務上の利点】
会社設立は、まずは税務上の利点が最大です。
個人事業が発展して、所得が大きくなると、税金は無視できなくなってきます。下の表を見てください。会社にして給与をとると、控除が受けられます。
給与所得控除の速算表
給与の収入金額
|
控除額 |
162万5千円以下 |
65万円 |
162万5千円超180万円以下 |
(給与の収入金額)×40パーセント
|
180万円超360万円以下
|
(給与の収入金額)×30パーセントプラス18万円 |
360万円超660万円以下 |
(給与の収入金額)×20パーセントプラス54万円 |
660万円超1000万円以下 |
(給与の収入金額)×10パーセントプラス120万円 |
1000万円超 |
(給与の収入金額)×5パーセントプラス170万円 |
これが自動的に経費にできる金額です。
たとえば課税標準が800万円の場合は、個人事業の青色申告控除なら65万円、給与所得控除なら200万円。
その差額は実に135万円!
単に会社にしただけで、これだけの経費が認められるのです。
次に、消費税です。
従来は株式会社は1000万円で設立をする必要があったので、1期目から消費税の課税業者になりましたが、今後は資本金が自由なので、資本金を1000万円未満で設立したら、株式会社でも最初の2期が消費税は非課税になります。
どんなに売上げが大きくても非課税ですので、これは相当大きなメリットですね。
商売上の利点
【信用上の利点】
ほんとうは個人事業なら個人事業主が信用の全てをかけて、無限保証するので、個人破産でもしないかぎり会社より信用できるといえなくもありません。でも、現実の社会では、個人事業は「会社にもできない規模の小事業」と思われがちです。
実際に株式会社で、ある程度の資本金なら、グッと信用力がアップします。たとえば立派な事務所を借りるのは毎月の維持費がかかります。
信用力を、お金で買う方法として、維持費が少なくて確実な方法は、他にそんなにあるでしょうか?
たとえば、
●ネットモールに出店するには、法人化が必要だとか、
●雑誌やネットで大きく広告するのに、個人事業では顧客に信用が得にくいとか、
●大企業と取引を始めた時、法人でないと取引の対象にしない
といったケースです。
以上、会社にするメリットとして列挙しました。その他に考えられるメリット・デメリットを教えてください。
その他にはどんなものがあるでしょうか?
≪メリット≫
・ 所得を分散できます。家族に報酬を分けたりすることが容易です。
・ 法人の青色申告の場合、赤字を9年間控除できます。個人は3年間です。
赤字が出てもその赤字を翌期に繰り越せるということで、スタートアップの会社にはとても有利な制度です。
・ 減価償却費の計上が任意でできます。減価償却費は、30万円以上の資産を買った場合、多年度に分けて経費として計上する制
度で、法人は計上しないこともできます。
つまり黒字を出したくても赤字が出そうなら、計上しない手があります。個人は強制ですから、選択はできません。
黒字にしたら税金がかかるのに、わざわざ黒字決算にするということは、資金をどこかから借入れる場合とかが多いようですね。
・ 役員でも退職金が支給できます。一般に退職金の税率は優遇されています。たとえば10年勤務したら、退職
金から400万円を控除できて、税金のかかる計算のもととなる金額も半分になります。日本の税制は、特に退
職金を優遇しているのです。
≪デメリット≫
・ 設立に費用、手間がかかります。
・ 会社の維持に、地方税として最低年間71,000円かかります。これは個人事業ではかかりません。
・ 維持、運営に個人よりも手間、手続が増えます。たとえば記帳は複式簿記できっちりとする必要があります。
複式簿記までしていれば、あと少しの努力だと思います。決算報告書などは会計ソフトでできます。
・ 交際費の経費算入に限度枠があります。法人の場合は資本金1億円以下なら年600万円までで、その9割が交際費に認められます。個人なら限度枠がありませんが、事業のための交際費か個人的な飲み食いかをかっちりと区別する必要があります。
交際費の多い個人事業の方は、600万円の枠なんか簡単に突破するということで、わざと法人化しない人もいますね。
このように法人なり(会社設立)の大きなメリットとデメリットをあげてみました。売上げが大きくなってくれば、会社形態を選択したほうのメリットが大きいですね。
会社にしたことをきっかけに、事業を大きく飛躍させてみてはいかがでしょうか。
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